ネコの糖尿病は、原因として第一に肥満が上げられ、症状としては、おしっこが多く、水をよく飲み、食べているのに痩せていくというものです。病気が進行すると、元気・食欲がなくなり、水も受付けず、どんどん衰弱してしまうこともあります。
従来は、飼主さんが「毎日ネコにインスリンの注射して血糖値を下げる」というのが主な治療方法でしたが、2024年9月2日に従来とは全く違う作用の新しい糖尿病の薬が新発売されました。1日1回 ほぼ決まった時刻に飲ませる、または食事と一緒に与え、「尿中にブドウ糖を多く排出し血糖値を下げる」というものです。この薬は人体薬としては2014年に発売されています。
ただし、すべての糖尿病のネコに使えるわけではなく、治療を開始をする前に身体検査(元気・食欲の有無、飲水量、嘔吐や下痢などの消化器症状の有無)や血液検査(腎機能・甲状腺の異常、膵炎・ケトン体の有無)、尿検査(ケトン体の有無)などが必要となります。
そして治療開始後2週間程度は数日おきに、2週間以降は定期的に身体検査と血中・尿中のケトン体の検査が必要です。
副作用としては、特に嘔吐や下痢といった消化器症状が多く、その対応が必要な場合もあります。また糖尿病の悪化も10%程度あると言われ、注意深い観察が必要です。